編集部おすすめ:おすすめ医療小説9選
ここまでは、読書家500人が選ぶおすすめ医療小説の人気ランキングをご紹介してきました。
次に、Bookey編集部が選ぶおすすめ医療小説9選をご紹介していきます。中には有名ではない本もありますが、どの本も魅力的な内容でおすすめですよ!
太平洋戦争中の生体解剖事件をめぐり、医師達の葛藤や当時の時代背景が詳細に描かれている
太平洋戦争中に捕虜となった米兵を解剖する様子が詳細に書かれた作品です。
生きている状態で苦しみながら解剖される米兵に、「医療用麻酔を使おう」と意見する医師に対し、先輩医師は「捕虜に必要ない」と使用させなかったり、生きた状態で肺に水を入れ、どれくらいの量で溺死するか実験したりと、非人道的で残虐な行為を繰り返していました。
また、米兵の肝臓を食べるから、持って来させるように命令する日本兵も・・・。
そのことに葛藤を覚え悩む医師が、数十年後、当時を振り返り回想していくシーンはとても感慨深いです。
細々子育て中さん/30代/女性
財政難に苦しむ病院と地域医療、医師の苦悩やずさんさが垣間見える
北海道のとある地域を舞台に、財政難に苦しむ病院と地域医療、医師の苦悩やずさんさが垣間見える作品となっています。
個人的に好きな部分は、人徳のある医師が受け持っていた患者が死亡し、医療事故の可能性が浮上している場面。この問題を、病院がどのように解決するのかが見所になってきます。
続編である『極北ラプソディ』にも繋がる見ごたえのある作品になっています。
また、バチスタシリーズをご存知の方は、その世界での続編にもなっているので、幾重にも楽しめます。
takuya0718さん/30代/男性
臨床の砦
- 読みやすさ :
- 読み応え :
- 物語の満足度:
著者 | 夏川 草介 |
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出版社 | 小学館 |
発売日 | 2021/4/23 |
価格 | 1,650円 |
コロナ病床で対応に当たる医師の苦労、苦悩がひしひしと伝わってくる
神様のカルテの著者による、コロナ対応の医師の様子を描いた小説です。小説ですが、ノンフィクションのような感じがします。
まだワクチンができる前なので、今後は変わってくるかもしれませんが、一部の病院に偏るコロナ病床の負担や医療従事者の感染への恐れ、その不安が如実に感じられます。
また、限られた中でも、患者やその家族のために奮闘する医療関係者達の様子に頭が下がります。
コロナ禍の地方の医療現場の現実を知るのに良い本だと思います。
sakura158さん/40代/女性
祈りのカルテ
- 読みやすさ :
- 読み応え :
- 物語の満足度:
著者 | 知念 実希人 |
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出版社 | KADOKAWA |
発売日 | 2018/3/29 |
価格 | 1,430円 |
患者とのかかわりで成長する研修医に感動できる!
研修医が5つの科をまわり、その中で成長して自分の進む診療科を決めるという短編連作小説です。
どの話も、主人公が何か悩みや問題を抱える患者の異変に気付き、指導医と協力して救っていく話で、患者の領域にどこまで医者がかかわっていいのかも考えさせられました。
それでもひたむきな研修医の姿には感動できます。
cafemomoさん/20代/女性
絶望的な境遇でも人としての尊厳を持ち続ける生き方に感動する
23歳で短い生涯を終えた小説家・北条民雄さんの作品です。ハンセン病に感染し、外界と遮断された療養施設での絶望的な体験を描いています。
ハンセン病は感染力が弱く、現在では治療法も確立されていて、完治できる病気です。それなのに長い間、こんなにも苦しい状況が人間によって作られ、法律で管理されていました。
病気になり絶望することはあります。そんな極限状態でも尊厳を保つ精神の在り方を考えさせられました。
北条さんの生き様を知ることができる本としては、高山文彦さんの「火花 北条民雄の生涯」もお薦めできます。川端康成に見いだされ、病気や差別と闘い続けた北条さんの姿は、心に響きます。
ncmsk523さん/50代/男性
医療が身近に感じられる
ドラマのノベライズです。患者と医療者が協力して医療に当たる姿に、医療の原点を見ます。
医療が身近に感じられるので、「自分のことにもっと関心を払って、軽度の怪我や病気は自分で治そう」と思わせてくれる作品です。
踏切で立ち往生した老婦人を助けるため、結婚式当日に新郎が亡くなってしまうシーンがあるのですが、「こういう状況に陥ったら、自分ならどうするか」と考えさせられます。
新婦の「おばあさんより、私との未来を選んで」というセリフは身につまされました。
りくのすけさん/40代/女性
昔と今の医療の違いを感じる
「失楽園」で有名な渡辺淳一の作品です。これまでに二度、「白い影」の表題でテレビドラマ化されました。
主人公の倫子は看護婦で、医師・直江が恋人です。
なんら異常がないのに入院している人に対し、直江は「もう定年間近で疲れているのかもしれない」と理解を示したり、「生活保護で医療を行う場合、病状を改善する治療でない限り処置できない」という決まりに背いて、患者に延命治療を行ったりと、型破りなところがあります。これが正義感の強い若い医師との対立を引き起こしたりします。
作者自身が医師ということもあり、当時のリアルな医療がわかります。また、1972年出版の本なので、昔と今の医療の違いというものを感じると思います。
のぎく06さん/50代/女性
人が尊厳を持って生きることの意味を考えさせられる
渡辺淳一さんの作品です。
雪深い病院で、様々な事情を抱える患者とその家族に関わり続ける主人公。「医師として自分に求められていることは何なのか」を深く考えさせられることになって苦しむ主人公の姿を読むのは、とても苦しい時間でした。
読者も、人が尊厳を持って生きるということの意味を考えさせられます。
考えたり悩んだりしたからこそ、最後の場面で救われます。心に残る作品でした。
ncmsk523さん/50代/男性
ナイチンゲールの沈黙
- 読みやすさ :
- 読み応え :
- 物語の満足度:
著者 | 海堂 尊 |
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出版社 | 宝島社; 新装版 |
発売日 | 2015/11/6 |
価格 | – |
小児医療の課題に触れながら紡がれるミステリーは読み応え抜群!
チーム・バチスタの続編です。今回は小児病棟が舞台となったミステリー小説で、看護師達にスポットが当たっています。
医師と看護師の差や、小児患者と保護者たち、彼らと看護師の間の絆が描かれますが、そんな中で殺人事件が起きてしまい・・・。
小児医療の課題に触れながら紡がれるミステリーは読み応え抜群です。
この作品には同時系列の別の病棟の事件を描いた小説もあるため、別々に読んだ後に時系列を合わせながら同時に読むこともでき、何回も楽しめる作品です!
lilyclownさん/20代/女性
まとめ
読書家500人が選ぶおすすめ医療小説では、1位は『神様のカルテシリーズ』、2位は『チーム・バチスタの栄光』、3位は『白い巨塔シリーズ』となっておりましたので、是非参考にしてみてくださいね。
今回は、読書家500人が選ぶおすすめの医療小説19選&人気ランキングを口コミと共にご紹介してきました。
おすすめ医療小説アンケートの詳細
第1位(51票) | 神様のカルテシリーズ |
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第2位(33票) | チーム・バチスタの栄光 |
第3位(30票) | 白い巨塔シリーズ |
第4位(27票) | 使命と魂のリミット |
第5位(23票) | ライオンのおやつ |
第6位(23票) | いのちの停車場 |
第7位(15票) | 空中ブランコ |
第8位(10票) | ジェネラル・ルージュの凱旋 |
第9位(10票) | ディア・ペイシェント 絆のカルテ |
第10位(10票) | 花埋み |
その他(268票) | 上記以外の回答 |
【アンケート調査概要】調査方法:インターネット調査調査期間:2024年06月27日~07月12日回答者数:500人