編集部おすすめ:海外のおすすめSF小説17選
ここまでは、読書家500人が選ぶ海外のおすすめSF小説の人気ランキングをご紹介してきました。
次に、Bookey編集部が選ぶ海外のおすすめSF小説17選をご紹介していきます。中には有名ではない本もありますが、どの本も魅力的な内容でおすすめですよ!
火星年代記(長の年月)
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- SF要素 :
著者 | レイ ブラッドベリ |
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出版社 | 早川書房; 新版 |
発売日 | 2010年7月10日 |
価格 | 1,034円 |
火星に取り残された男が作ったロボットの哀愁に泣けてくる
超有名なレイ・ブラッドベリの連作短編集「火星年代記」のなかの一編です。
火星に取り残された男は、家族に似せたロボットを作り、家族団らんを演じながら救助を待っています。ようやく救助隊が来るものの、時すでに遅く……というお話で、ラストの哀愁がすごいです。
同じ著者の「霧笛」でもありましたが、「待つ」「待ち続ける」ということの、なんと残酷で、哀しいことか。
これを読んで泣かない人は人間ではない、は言い過ぎですが、涙もろい人はハンカチのご用意を。
pengxuelaoさん/50代/男性
トワイライト
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- SF要素 :
著者 | ステファニー メイヤー |
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出版社 | ヴィレッジブックス |
発売日 | 2008年4月19日 |
価格 | 770円 |
切なく美しいヴァンパイアと人間との恋に胸がギュッとする
日本とは異なる学園生活と人間関係が描かれており、スマートさに引き込まれます。
そしてここに「ヴァンパイアと人間の禁断の恋」という設定が加わることで、物語の色が一層鮮やかになり、強く心を揺さぶります。
普段、目にすることがないほど洗練されたスマートさを持つ登場人物が、ヴァンパイアという特殊属性によって苦悩する様子。禁忌を冒しても人間の少女を愛したいという気持ち。描かれる一場面一場面が切なく美しく、ページをめくる手を止められません。
沢山のシリーズが出版されており、読み始めるのに躊躇するかもしれませんが、いざ手に取ると続きがあるという事実に心が満たされるようになります。
なな***さん/20代/女性
楽園の泉
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- SF要素 :
著者 | アーサー・C. クラーク |
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出版社 | 早川書房 |
発売日 | 2006年1月1日 |
価格 | 990円 |
リアリティある未来予想図
『楽園の泉』はおすすめです。
現在、実際に開発が進められている宇宙エレベーターの建築をする技術者が、この短編小説の主人公です。
しかし宇宙空間との往来を安価で素早く可能にし、人類が深宇宙へ飛び出していく足がかりとなる夢の技術、宇宙エレベーターの建築は一筋縄ではいきません。
巨大建築ならではの危険、政治的な争い…技術者は何を思うのか。精密に描かれたリアリティある世界観が素敵な一冊です。
haru_2525さん/20代/女性
デューン 砂の惑星
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- SF要素 :
著者 | フランク ハーバート |
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出版社 | 早川書房; 新訳版 |
発売日 | 2016年1月22日 |
価格 | 1,232円 |
砂の惑星アラキスを舞台に、壮大な覇権争いと主人公の成長物語などを楽しめる
砂の惑星アラキスでは、砂漠の巨大な虫「サンドワーム」が巨大な口で突然襲って来たり、「メランジ」なる不老長寿や超能力をもたらすスパイスが、皇帝や貴族たちとの覇権争いをもたらしたりと、重厚な物語が展開されて行くので、じっくりと腰を落ち着けて読みたい人にはおススメの本です。
主人公とその家族が強大な敵に立ち向かい、困難を乗り越えメランジにより覚醒するまでの長い物語を楽しんで読めます。
arraycwさん/50代/女性
ハンガー・ゲーム
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- SF要素 :
著者 | スーザン・コリンズ |
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出版社 | KADOKAWA/メディアファクトリー |
発売日 | 2012年7月3日 |
価格 | 649円 |
極端な設定の裏に見え隠れする社会描写に引き込まれる
地区代表の生贄となった若者たちが殺し合うお話。一言で世界観を表現するとこのようになります。
しかし、この物語は単純な戦闘ストーリーではありません。もちろん生贄同士が戦いあう描写はありますが、個人的にこの話の神髄は戦いの先に描かれる「革命」にあると思います。
巨大な権力に立ち向かう少年少女と、周囲の大人たちとの関係性にどんどん引き込まれ、読む手を止めることができませんでした。
また、ストーリー展開や主人公の身に起こる出来事が日本の小説とは少し異なり、予想できない展開が待っています。
最後までどうなるのか読めない、海外SFの魅力が凝縮された小説だと思います。
なな***さん/20代/女性
まるで自分がその場に行っている感覚になり、ワクワクする
私はジュール・ヴェルヌ作の「地底旅行」がおすすめです。この作品はディズニーシーのアトラクションや、映画や漫画にもなっているので、小説を読むのが苦手な方でも比較的読みやすい作品になっていると思います。
まるで自分がその場に行っている感覚になるように書かれているのが見どころです。
この作品はだいぶ昔から人気があり、「作者は体験者からこの話を聞いて書いた説」や「地球の中心には本当にこのような場所がある説」など、この本が出版されてから盛んな研究や議論が行われてきました。このように、読んだあとも考察などを楽しむことができます。
とてもワクワクして面白いので、是非読んでみてください。
01231218kさん/20代/女性
霧笛
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- SF要素 :
著者 | レイ ブラッドベリ |
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出版社 | 早川書房; 新装版 |
発売日 | 2012年9月7日 |
価格 | 1,034円 |
生き残ったモノの孤独と悲しみを詩的に描いている
SFの詩人と言われるレイ・ブラッドベリの短編小説です。
出だしがまず、まるで絵を見るような詩的な描写から始まります。灯台守の叔父のもとを訪れた〈ぼく〉が、叔父とともに、海の奥底から現れる孤独な恐竜を迎える、というお話です。
恐竜の孤独は叔父の言葉で語られるだけですが、とてももの悲しく、恐竜の行いも、哀を催します。
そして、ラストのなんとも切ない哀愁は、もはや比肩する作品はないでしょう。
SFのファンなら、一度は読んでみるべき作品だと思います。
pengxuelaoさん/50代/男性
結晶した終末世界のなんと美しいことか!
すべてが結晶していくという、世界の終わりを扱ったSFです。
なんといってもすばらしいのは、主人公が結晶の森を探索していくシーンです。本物の結晶体、すなわち宝石を持っていると、結晶化を解除する効果がある、ということで、宝石を埋め込んだ十字架を背負って、結晶の森を行きます。
まるでイエスが十字架を背負って、終末世界を歩いている、という暗示のようです。
退廃的な美しさとはかなさは、他の小説の追随を許さないでしょう。
pengxuelaoさん/50代/男性
パインズ
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- SF要素 :
著者 | ブレイク クラウチ |
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出版社 | 早川書房 |
発売日 | 2014年3月7日 |
価格 | 2,090円 |
記憶を無くし迷い込んだ町から抜け出せない恐怖と謎に、どんどん引き込まれる
主人公は事故に遭い、気がつくと町外れの川沿いに倒れていました。痛む身体で町の中に入って行くと、住民や町の雰囲気に違和感を感じます。知らない町に迷い込んでしまい、何度も町から出ようとしますが、外部との連絡も取れず、出ることは出来ないのです。
なぜ河原にいたのか、なぜこの町に迷い込んだのか、自分を知る人がいないまま、事態は展開していきます。
物語のテンポの速さと謎を解明したいという思い、追い詰められる緊迫感からどんどんストーリーに引き込まれていきます。
読み進むにつれて驚愕の真実が待っています。サスペンス要素、ヒューマンドラマ的な要素もありハラハラしながら読み、少し環境問題など考えさせられるところもありました。
imagine1970さん/50代/女性
伝統と進歩の戦いを描いたテラフォーミング・新生アフリカの物語!
テラフォーミングされた星・キリンヤガを巡めぐる珠玉の短編集です。
地球から移り住んできたケニア・キクユ族の伝統生活を支える祈祷師・コリバは、西洋の教育を受けて育ち、キリンヤガでは天候をコントロールできるテクノロジーすら手中にしていました。しかし、コリバはかつての地球・ケニアに起きた民族の堕落を憂いて、西洋化される前の過去に理想を見いだそうとしていたのです。
伝統生活を守るために、頑なに進歩を拒み、民を無知な状態にとどめようとするコリバの努力は、若者たちが成長するにつれ、ほころび始めました…。
文字すら知らない少女がコリバの隠し持つコンピュータと対話する言語すら生み出していたエピソード「空にふれた少女」を筆頭に、いくら情報を遮断しても、常に新しいものを生み出し、進歩を求める若者たちのエピソードが綴られます。そしてコリバが最後に見た古きものとは…。
今の変化の時代にこそ読みたい「瑞々しい物語」です。
shiba3283963さん/50代/男性
地図にない町
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- SF要素 :
著者 | フィリップ K.ディック |
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出版社 | 早川書房 |
発売日 | 1976年8月1日 |
価格 | – |
現実と虚構の静かな倒錯が背筋を凍らせる!
フィリップ・K・ディックの短編「地図にない町」は、ディックお得意の「現実と虚構が徐々に転換し、なにが現実でなにが非現実なのか、主人公も読者もいつの間にか分からなくなっている」そんな作品です。
メイコンハイツという都市行きの切符を渡された主人公ですが、駅員曰くそんな場所はないとのこと。困り果てた主人公は、駅員とともにメイコンハイツを探しに行きますが、どうやらその都市は数年前に州議会で僅か1票差で開発が否決された場所でした。
しかしながら、行く先々で、なんと現実が書き替わっていき、最後には…。
ディックといえば長編が有名ですが、現実崩壊系の短編も非常に興味深い作品が多いです。ぜひ一読を。
かめうささん/20代/女性
マイノリティ・リポート
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- SF要素 :
著者 | フィリップ・K. ディック |
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出版社 | 早川書房 |
発売日 | 1999年6月1日 |
価格 | – |
途中からの逃避行と終盤で明かされる真実に心が躍る
近未来を舞台に予知能力を使って「未来の殺人」を予期し、犯罪を犯す前に逮捕するという設定が当時は斬新で面白かったです。
自身が犯罪の濡れ衣を着せられ、逃亡を続ける中で徐々に明らかになっていく真実と驚きの結末は今でもはっきりと覚えています。
映画化もされており、こちらも見ごたえ充分なので一緒にオススメさせていただきます。
ぞえ1201さん/30代/男性
モレルの発明
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- SF要素 :
著者 | アドルフォ ビオイ=カサーレス |
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出版社 | 水声社; 第2版;新装 |
発売日 | 2008年10月1日 |
価格 | – |
存在とはなにか、そして至高の愛とはなにかを考えさせてくれる
海外の小説というと欧米を思い浮かべるかもしれませんが、この小説は南米アルゼンチンの小説で、かなりコアなファンが多い作品です。
存在とはなにか、そして至高の愛とはなにかを考えさせてくれます。かなり読者を選びますが、結末がかなり面白いです。
ただ、少しだけ表面的な題材は古いです。20世紀文学だと思います。
今まで味わったことのないような南米文学、いかがでしょうか。
ともおるさん/30代/女性
まだ人間じゃない
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- SF要素 :
著者 | フィリップ・K・ディック |
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出版社 | 早川書房; 新装版 |
発売日 | 2008年3月7日 |
価格 | – |
メッセージ性溢れるSFストーリーに考えさせられる
あの””アンドロイドは電気羊の夢を見るか?””の作者フィリップ・K・ディックによるSF短編集ですが、とても面白くオススメです。
どの作品も個性的で「未来を見る機械を作ると、最初は普通の光景なのになぜか時がたつと何もしなくても徐々に未来の映像が荒廃としていき…」という「それってもしかしてその機械のせいでは?」という風刺になる王道な話から、「フヌール人」という訳の分からない存在と戦う笑える話までとにかく面白いです。
短編集なので空いた時間にサクっと読めるのも良いです。
Noreさん/30代/男性
モンキー・ハウスへようこそ
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- SF要素 :
著者 | カート・ヴォネガット・ジュニア |
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出版社 | 早川書房 |
発売日 | 1989年3月1日 |
価格 | – |
SF的面白さを持ちつつメッセージ性に溢れていて良い
“”モンキーハウスへようこそ2””は非SFも一応含むSF短編集ですが、どの作品もメッセージ性に満ちていてとても読みごたえがあります。
本当にもしも「不老薬」ができてしまったら?機械が本当に自我を持ち、詩を作り、恋をしてしまったら?
時に笑いあり時に涙あり、そして時に後味が悪いほどリアリティの高い風刺もあり、完全に作品の中に引き込まれます。
特に詩を作る機械””エピカック””の話は王道で、ほろ苦くてオススメです。
Noreさん/30代/男性
気の強い女性が好きな方必見の超長編ファンタジー
この物語を読んで、日本人がまずビックリすると思う部分は、癒し系の女性が一人も出てこないというところです。
登場する女性は、優しくはあっても気が強い人ばかり。今までのヒロイン像にちょっと飽きてしまったなという人におすすめの長編SFです。
ただし、この物語は、最終巻が翻訳発行されていません。でも、現在日本語で発行されている分だけでも、ラストはだいたい想像できるような気もします(どんでん返しがなければですが)。
完結していなければ絶対いやだという人にはお勧めできませんが、長〜い中盤の世界観が楽しめればOKという人にはぜひおすすめです。なにせ刊行されているだけでも80巻以上あるので、暇つぶしにはもってこいです。
mshoesさん/40代/女性
身近な宇宙・人体を舞台にした、手に汗握るドキドキの医療SF
アイザック・アシモフの代表作のひとつです。映画化もされているので、ご存じの方もいるかと思います。
手術できない患者を助けるために、科学者がチームを組んでミクロサイズに小さくなって、潜航艇に乗り込み体内でレーザー治療を施します。タイムリミットは60分。
血液の流れにのって患部にたどり着いたら、治療をして体外に出るという段取りなのですが、そんなにスムーズにいくわけもなく、タイムリミットが近づいて・・・という展開が息もつかせないです。
とても 50年前に書かれたとは思えない作品だと思います。
gunew2mthhyさん/50代/女性
まとめ
読書家500人が選ぶ海外のおすすめSF小説では、1位は『三体』、2位は『夏への扉』、3位は『たったひとつの冴えたやりかた』となっておりましたので、是非参考にしてみてくださいね。
今回は、SF好き500人が選ぶ海外のおすすめSF小説27選&人気ランキングを口コミと共にご紹介してきました。
海外のおすすめSF小説アンケートの詳細
第1位(134票) | 三体 |
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第2位(123票) | 夏への扉 |
第3位(33票) | たったひとつの冴えたやりかた |
第4位(25票) | 火星の人 |
第5位(18票) | われはロボット |
第6位(18票) | ロボット・イン・ザ・ガーデン |
第7位(18票) | スローターハウス5 |
第8位(15票) | 紙の動物園 |
第9位(15票) | 十五少年漂流記 |
第10位(14票) | 老人と宇宙 |
その他(86票) | 上記以外の回答 |
【アンケート調査概要】調査方法:インターネット調査調査期間:2024年06月27日~07月12日回答者数:500人