編集部おすすめ:おすすめの名作ホラー小説18選
ここまでは、読書家500人が選ぶおすすめの名作ホラー小説の人気ランキングをご紹介してきました。
次に、Bookey編集部が選ぶおすすめの名作ホラー小説18選をご紹介していきます。中には有名ではない本もありますが、どの本も魅力的な内容でおすすめですよ!
ザ・ロード
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- ホラー要素 :
著者 | コーマック・マッカーシー |
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出版社 | 早川書房 |
発売日 | 2010年5月30日 |
価格 | 880円 |
現実がありがたくなるほど、希望のない話が続く本
現実がありがたくなるほど、希望のない話が続く本です。
原因は一切書かれていないのですが、天変地異が起こったのか何かの戦争の慣れの果てなのか、人っ子ひとりいない暗く寒いアメリカ大陸を、父子がひたすら歩きます。寒さで凍え死んでしまう前に、南へ移動しようとしているのですが、ようやく出会えた生き残りは彼らを脅かす存在でした。
気持ちがイラつく、世界中が大っ嫌いになってきた、人間なんて馬鹿野郎、そう思ったときに読む本です。一行ごとに体の温度が下がっていきます。
読み進むうちに、「本を置いて、もう一度外の世界に出てみよう」という気になります。
そうならない人も、朝になったらちょっと外に出てみるだけで、今の自分が素晴らしい世界にいると感じられると思います。
けいKeiMITさん/50代/女性
何気ない日常が、見えないところからどんどんおかしくなっていくのが本当に怖い
とても長い小説で、最初は物語の起伏が少ない感じで読み進めるのが大変ですが、だんだんその世界にどっぷりはまっていきました。
ごく日常的なことがいつの間にか少しずつおかしくなっていき、あり得ないことがどんどん起きるのですが、その場面が想像できるのがとても怖かったです。
追い詰める人、追い詰められる人の視点もあり、それぞれの恐怖や悲しみがあり、怖さと涙がいっぱいの本でした。
しばらくの間は暗い所や夜道を歩くのが怖かったです。時間のある時にじっくり読むことをおすすめします。
seikamayu0730さん/40代/女性
今まで生きてきた世界がもしかしたら全て作り物かも知れないと思うと、足元が揺らぐ
貞子で有名なリングの続編であり、最終巻です。リング、らせん、ループと繋がっていくわけですが、実はこの題名達に重要な謎が隠されています。
舞台は奇妙な病に侵された世界。主人公が病に侵された少年の母親と恋に落ちたことで、
少年は自殺します。
絶望した主人公は、せめてこの病を終わらせてやると立ち上がります。この病はどこから来たのか。謎が解き明かされた時、主人公の正体も明らかになります。
今まで生きてきた世界がもしかしたら全て作り物かも知れないと考えると、かなりのホラーですが、最後は温かい感動に変わります。
aoaomonさん/30代/女性
シャイニング
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- ホラー要素 :
著者 | スティーヴン キング |
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出版社 | 文藝春秋; 新装版 |
発売日 | 2008年8月5日 |
価格 | 1,012円 |
世界一怖いとされるホラーだが、感動的なストーリーも含まれている
モダンホラー作家のスティーブン・キングの「シャイニング」。映画版のスタンリー・キューブリック監督の作品と若干内容が違ってきます。
映画版の方はホラー的要素が多いけれども、小説では感動的な要素が含まれています。
アルコール依存症であり、呪われたホテルで気が狂って家族を殺そうとしている作家の死に方も異なります。
結構、分かりやすい内容なので、映画版の方を観たことがある方は是非とも原作を読んで比べてみてください。
mocacameronさん/20代/女性
鼻
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- ホラー要素 :
著者 | 曽根 圭介 |
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出版社 | KADOKAWA |
発売日 | 2007年11月21日 |
価格 | 704円 |
ひりひりとした緊張感を覚える、幻想的なクライムストーリー
あるコンプレックスを持った男の物語ですが、途中まではどのようなつながりがあるのか分からず、手探りで読み進めていきました。
ただ、その世界観は幻想的でクライムストーリー的で、ひりひりとした緊張感をもって進んでいきます。
ハードボイルドな世界があんなにももろく崩れ去るとは脱帽。
何度も読み返したくなる一冊です。
mmm_fowarderさん/30代/男性
厭魅の如き憑くもの
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- ホラー要素 :
著者 | 三津田 信三 |
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出版社 | 講談社 |
発売日 | 2009年3月13日 |
価格 | 1,155円 |
閉鎖的な村社会と怪異が好相性で、背筋がざわざわする
ミステリー小説として紹介されることも多い作品なのですが、最後までこれはホラーなのではないかと考えさせられてしまう問題作です。
この小説に限らず、作者の三津田信三さんの作風は、半村良さんと横溝正史さんを足して割ったような感じで、おそらく一番良い表現は「伝奇小説」なのでしょう。
日本の民俗学をベースにした暗さは、京極夏彦さんに通じるものもあります。
やはり閉鎖的な村社会と怪異は相性がいいですね。典型的なホラーとはいえないかもしれませんが、間違いなく背筋がざわざわする作品です。
longtailtitさん/50代/男性
殺人鬼
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- ホラー要素 :
著者 | 綾辻 行人 |
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出版社 | 新潮社 |
発売日 | 1996年1月30日 |
価格 | – |
ミステリ好きにはたまらない仕掛けと、吐きそうなほど残酷な殺戮描写
ミステリー作家の綾辻行人さんのホラー小説。普段ホラーは読まないのだけれど、好きな作家さんなので読んでみたら、電車で読んでいて吐きそうになるくらい悲惨な内容でした。
ノリ的にはホラー映画の「13日の金曜日」みたいな感じです。惨殺された死体の脂肪の色が黄色というのはこの本で知りました。
ホラーのお決まりのお色気要素もあり、そういうシーンを読むのが初めてだったので、恥ずかしかったです。
あまりの残酷さに、何度も読むのをやめようとしましたが、最後の仕掛けにたどり着くと、さすが綾辻さん!という感じ、最後まで読んでよかったと思いました。
korosuke00さん/40代/女性
らせん
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- ホラー要素 :
著者 | 鈴木 光司 |
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出版社 | KADOKAWA |
発売日 | 2000年4月6日 |
価格 | 792円 |
「リング」の世界観を踏襲しながら描かれる、常識を覆す医療ホラー
今回、私がおすすめする名作ホラー小説は「らせん」です。この作品は鈴木光司さん著作の人気ホラー小説「リング」の続編でもあります。
リングに比べるとあまり知名度はありませんが、かなり怖い内容となっています。
主人公の安藤は解剖医をしており、古い友人の司法解剖をしていたら遺体から謎の紙が出てきました。そこには謎の番号が書かれていて・・・
前作の「リング」で「こんなの絶対にありえない」と思っていた事が、今作では科学的かつ医学的に解明されていくので、「あれ?ひょっとして、あり得るんじゃないか?」という恐怖の連鎖に繋がります。
papillon.kobeさん/20代/男性
私の家では何も起こらない
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- ホラー要素 :
著者 | 恩田 陸 |
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出版社 | KADOKAWA |
発売日 | 2016年11月25日 |
価格 | 616円 |
恐ろしくも夢の中にいるようなゆっくりとした時が流れていく作品
私は恩田陸さんの「私の家では何も起こらない」をおすすめします。冒頭からわけのわからない展開の連続で、自分が変なのかわからなくなる錯覚に陥ります。
丘の上にある一軒のお家の話なのですが、この家では仲の良かったはずの双子が殺し合いをしたり、キッチンの床下に子供の目などの瓶詰めがあったりと、恐ろしくも夢の中にいるようなゆっくりとした時が流れていく作品です。
この家に住んでいる有名な画家に、この家のことについてインタビューをしに行くというところから物語は始まります。余計な説明は一切なく、その画家の話をゆっくりと聞いていきます。
一見オムニバス形式のようなのですが、この家で起こっていることだけなので、場所も変わらずとても読みやすいものになっていると思います。
恩田陸さんの作品はどこか芝居を見ているような感覚になるので、舞台を見るのが好きな人や映画を見るのが好きな人におすすめです。
01231218kさん/20代/女性
人間に向いてない
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- ホラー要素 :
著者 | 黒澤 いづみ |
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出版社 | 講談社 |
発売日 | 2018年6月14日 |
価格 | 1,650円 |
社会問題を提起する作品としても秀逸
個人的には「人間に向いてない」がおすすめです!
引きこもりの息子と両親、また夫婦の関係と更に突然変異と言うホラー要素が織り交ぜられて、ストーリーが展開していきます。
虫系が苦手な人には描写が少しグロテスクかもしれないですが、それを差し引いても一読する価値はあると思います。
最後の結末はスカッとしましたが、私も父親である事を思い出してゾッとしました。ホラー作品としても十分に楽しめますが、社会問題を提起する作品としても秀逸だと思います。
rojiura22さん/50代/男性
臨場感たっぷりの描写で、自分に起きていることのようにリアルに感じられる
ホラーシーンの描写、特に音の描写がとてもリアルだと思います。
狂気的な空気というか、「日常にとけこみつつも、そこにある明らかな違和感に気づく」といった「異常さ」が読み手にも感じとれるくらい世界に引き込まれます。
なので、お化けが怖いとか、話が怖いとか、そういう部分よりも、物語の中の「異常」を自分が体験しているような気分が味わいたい方におすすめします。
midorinohitsujiさん/20代/女性
耳なし芳一
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- ホラー要素 :
著者 | 小泉 八雲 |
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出版社 | 講談社; 新装版 |
発売日 | 2008年8月30日 |
価格 | 770円 |
これぞ日本の怪談の王道で、眠れなくなること請け合い
今まで読んだ中で一番怖かったのが「耳なし芳一」です。
寺に住んでいる盲目の琵琶法師・芳一が主人公。ある日、一人の武士に頼まれて「高貴な身分の方」の屋敷で琵琶の弾き語りを披露するようにと招かれます。演奏が気に入られ、7日7晩演奏を頼まれるのですが、実はその屋敷は平家一門の墓でした。
芳一が平家の怨霊にとり殺されることを心配した和尚によって、彼は体中に経文を書かれるのですが、和尚は耳に書くことを忘れてしまっていました…。
壇ノ浦の戦いは日本人になじみが深く、状況が想像できてしまうので、読んだとき恐ろしくてたまりませんでした。日本人から聞いて書いた物語とはいえ、ギリシア人のラフカディオ・ハーンが、よくぞここまで日本の文化を深く理解して描いたと感心させられます。
tomochansさん/50代/女性
一度殺された男の復讐心と狂気のすごさに打ちのめされる
外国の小説を江戸川乱歩が翻案したものだそうです。
一度殺されて埋葬された男が、墓のなかで蘇り、なんとか脱出して、自分を殺した犯人に復讐する、というお話です。
まず、墓のなかで蘇った男が、死に物狂いで脱出するところがすさまじい。へたをすると、そのまま再び死んでしまう、と言う目に遭います。だからこそ、墓を出て、犯人を残酷に殺すシーンに説得力があります。
人間の狂気が圧倒的で、打ちのめされたような読後感が残ります。
pengxuelaoさん/50代/男性
ボルネオホテル
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- ホラー要素 :
著者 | 景山 民夫 |
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出版社 | 講談社 |
発売日 | 1991年3月1日 |
価格 | – |
海外渡航歴が豊富な作者ならではのリアルな描写が怖い
小さい島の古いホテル、嵐で外との通信が取れない状況。アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」を彷彿とさせる設定に期待が高まります。
孤立状態の男女が、ポルターガイストや虫との遭遇で恐怖の時間を過ごします。
作者の景山さんはエッセイで海外のお話をいくつも書かれていますが、インドネシアも足を運んだことのある土地なようで、映画を見ているような情景が浮かび、リアリティを感じます。
ホラーが苦手な方は、読後、入浴タイムが恐怖タイムになってしまいそうです。
てりろっこさん/40代/女性
銀の仮面
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- ホラー要素 :
著者 | ヒュー・ウォルポール |
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出版社 | 東京創元社 |
発売日 | 2019年12月20日 |
価格 | 1,100円 |
都会の孤独の恐怖に背筋がゾッとする
ことわざの「庇を貸して母屋を取られる」を地で行く展開の短編小説です。
この「庇を貸して母屋を取られる」部分の奇妙さから、江戸川乱歩は「奇妙な味」の小説と分類しました。
しかし、個人的には、読み終わって背筋がぞっとする小説でした。それはラストの数行が、「都会の孤独」を如実に表していたからです。
ですから、これは「都会の孤独の恐怖」を描いたホラーである、と私は思っているのです。
pengxuelaoさん/50代/男性
図書館司書と不死の猫
- 読み応え度 :
- 物語の満足度:
- ホラー要素 :
著者 | リン・トラス |
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出版社 | 東京創元社 |
発売日 | 2019年5月11日 |
価格 | 2,200円 |
猫の存在が異様で、殺しの描写も怖い
「図書館司書と不死の猫」はザ・イギリス文学といった雰囲気の、もしかしたら読み進めにくい文体かもしれません。しかし、途中から引き込まれ、一気に読み進められるでしょう。
図書館を定年退職した主人公の元に、ある日届いた謎のメール。添付ファイルでは何度も生きる猫(死なない猫)が人語を操り、ブラックな話を語っていました。興味をそそられ動き出す主人公ですが、どんどん恐ろしいことに巻き込まれていきます。
主人公が、猫の語る話のひとつひとつの事実を確認していく過程に、ゾクゾクするような恐怖を覚えます。
ひるねくんさん/30代/女性
北欧の暗く長い冬を舞台にしたショックなお話
曽野綾子の短編集「七色の海」の中の一作。
北欧に赴任している主人公の男性と、その幼い息子のお話です。北欧ですから、冬の日照時間は短く、一日中暗い。そんな中、男はどんどん気が滅入っていくのですが…。
著者はうまく読者をミスリードしていき、ラストで驚愕の真実を読者に突きつけます。
初めて読んだ時の驚きと恐怖は今でも忘れません。名作の名にふさわしい傑作短編です。
pengxuelaoさん/50代/男性
現実と幻想の境が壊れる怖さが絶品
都築道夫の短編小説です。ネタバレしてしまっては元も子もないので、紹介がむつかしいのですが、アベックでその地を訪れた主人公が、不思議な体験をする、という話です。
その地には「あたか川」という川があって、それがタイトルの「はだか川」につながります。
怖いのは、主人公がだんだんと現実と幻想の区別がつかなくなっていく、という狂気が描かれていることです。
私の中では日本のホラー短編の1位です。ただ、怖い幽霊や化け物が出てくるわけではありませんので、地味すぎると感じる人もいるかもしれない、ということは書いておきます。
pengxuelaoさん/50代/男性
まとめ
読書家500人が選ぶおすすめの名作ホラー小説では、1位は『黒い家』、2位は『残穢』、3位は『そして誰もいなくなった』となっておりましたので、是非参考にしてみてくださいね。
今回は、読書家500人が選ぶホラー小説の名作28選&人気ランキングを口コミと共にご紹介してきました。
おすすめの名作ホラー小説アンケートの詳細
第1位(103票) | 黒い家 |
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第2位(66票) | 残穢 |
第3位(58票) | そして誰もいなくなった |
第4位(53票) | リング |
第5位(33票) | 悪の教典 |
第6位(32票) | ずうのめの人形 |
第7位(30票) | 王様ゲーム |
第8位(20票) | ぼっけえ、きょうてえ |
第9位(16票) | リカ |
第10位(11票) | 嗤う伊右衛門 |
その他(79票) | 上記以外の回答 |
【アンケート調査概要】調査方法:インターネット調査調査期間:2024年06月27日~07月12日回答者数:500人