みなさんは、現在の日本における母子家庭の割合をご存知でしょうか?
厚生労働省の調査によると、平成23年度の母子家庭の世帯数は約82万世帯で、児童のいる世帯の約7%という数値が出ています。
つまり、子供のいる家庭が100世帯あるとすると、その内7世帯は母子家庭であるということになります。
また、調査結果では母子家庭の世帯数は増加傾向にあり、昭和63年に比べ約1.5倍になっているという数値も出ています。
(出典:厚生労働省「ひとり家庭等の現状について」)
そこで今回は、母子家庭で良かったことと大変だったことを実際に母子家庭で育った30人の声としてご紹介していきたいと思います。
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母子家庭で良かったこと
何でも話合える
一般家庭の5割以上のお子さんは反抗期みたいな感じで親と話をしなくなる時期があると聞きますが、私はそんな時期はなく何かと言うと話をしてました。
会話をしなかった時は1日も無かったと思います。
ある意味、母であり姉でありみたいな感じでした。
40代前半・女性
家に大人がいなくてのびのびできる
母が仕事の際はいつも弟と2人でよくお留守番をしていました。
母が不在だったのでゴロゴロしてもよし、ゲームをし続けていてもずっとマンガを読んでいてもよし、友達を呼んでもよしなど自宅でのびのびと過ごすことが出来ました。
20代前半・女性
色々な話ができる
小学6年生〜社会人になるまで母子家庭だったのですが、同じ女同士ということもあり恋愛の話や他愛もない話などができ、友達のような関係でした。
父が居なく、母だけという家庭なので「今日は仕事で疲れたから外でご飯でもいい?」という回数が一般的な家庭よりも多かった気がしていたのでそういった面でも誰も口出しをする人が居ないので楽しい生活でした。
20代前半・女性
一般の家庭より母の強さがわかる
母は強いと思っていましたが、ある程度自分で暮らしてからより実感するようになりました。
一般の家庭では、父親母親がお互いに支え合って、家事や仕事、育児を分担しながら行なっていますが、母親しかいないため、必然的にこれらは全部母が一人でやってました。それを長年続けられたのは母の強さだと思っています。
世の中のお母さんは同じような強さを皆持ってるとは思いますが、母子家庭でしたのでより感じることが出来ました。
20代前半・女性
母と兄弟との絆が強い
母と兄弟と協力しながら何事も行なってきたので、絆が強いと思います。
結婚してそれぞれ家庭を持った今でもグループラインが常に活発に動いており、誰が何をしているかみんな把握しています。
普通の家庭では経験出来なかった絆の深さだと感じています。
30代後半・女性
気が楽だったなと今になると思います
母と私はとても感覚が似ていたこともあり、だいたいお互いに考えていることが分かるので、生活がとても楽でした。
いつも一生懸命働いてくれる母のことを尊敬していたので、反抗期が終わってからはお互いに理解し合うことが出来るいい関係を築いて来られたと思います。
30代後半・女性
反抗期なく大人になることが出来た
小学校三年の時に父が他界したので、それ以降カギっ子でした。
おかげで家事を身につけれたことや、あまり母親から干渉されず自立して育ちました。
その意味では、いわゆる反抗期もなく大人になっていったので母親とも良好な関係が続いています。
30代後半・男性
同性同士なので気を使わない
相談などは姉妹よりも先に母親に話していました。
私はできちゃった婚だったのですが父親にこの事を話せば反対されていただろなぁと思います。
その点母親は子供を産んでる身なのでとても真剣に私の話を聞いてくれて結婚を賛成してくれました。
20代前半・女性
母親と距離が近く、愛情いっぱい育ててもらえたこと
母子家庭で母親が働きに行ってるときに私は家のことをして、私が学校に行ってるときには母が家のことをしてくれるというようにお互いに協力してきました。
どんなことでもお互いに相談し、お互いを支えながら生活できましたので、愛情をたくさん受けましたし、自立するにも良かったと思います。
20代後半・男性
女同士、対等に付き合える
フルタイムで働きながら家事もこなす母の背中を見て育ったので自立心が芽生え、自分のことは自分でやる習慣は早くから身についたと思います。
友達親子というわけではありませんが、大人になってからは親子というよりは縁の深い女同士という感じで、対等な関係を築けています。
30代後半・女性
意外と金銭的には恵まれていた
母子家庭というと、まず思われるのはとても生活が貧しいのではないのかということだと思います。
ですが、我が家の場合は父がちゃんと保険に入っていたこともあってか、金銭的な苦労をあまり感じたことはありませんでした。
国からの保証も手厚いものだったと記憶しています。
30代後半・男性
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母親と友達感覚で何でも話せる関係でいれる
父親がいないこともあり、二人で頑張って来たので小さい頃から友達関係でのモヤモヤなどを相談することができました。
大抵そこまで話さないよと周りから言われる事も、気兼ねなく話すことが出来たので特に隠し事もなかったように思います。
20代後半・女性
女同士なので気を使わない
もし父親と一緒に住んでいたらお風呂から出た後に裸でウロウロするなんて事は恥ずかしくて出来ませんが、母子家庭では女同士なので自由気ままに裸でウロウロする事が出来ました。笑
夏も暑いので、下着のままで居れたりするのは母子家庭だからこそ出来た事だと思います。
20代後半・女性
炊事洗濯は完璧に出来るようになった
母親が公務員だったこともあり、それほど経済的には苦労せずに生活することができました。
また、休日は一緒に家事をしたりと幼いころから炊事洗濯は完璧に身に着けることも出来ました。
子供のころは家事が出来ることが当たり前だと思っていましたが、大人になってから自分が他の人よりも随分と家事が出来ることを知りましたので母に感謝しています。
きっと母なりに一人で何でも出来るように育ててくれたのだと思います。
20代後半・男性
料理やその他の家事を覚えることができる
母がほとんど仕事で家におらず夜勤などが続いていたので、3人兄弟の私には母親的な役割がありました。
小学生の時から夜ご飯を作ったり、洗濯物を畳んだり、お風呂を沸かしたり、弟の弁当を作ったりと身の回りのことは全部やっていたので、小さいながらにも家事全般は覚えたと思います。
母子家庭でなくて母がやっていたら手伝うこともあまりなかったと思いますし、私はこれでよかったなと思います。
20代前半・女性
母子家庭で大変だったこと
少し寂しかった
悪かったまでは思いませんが、生活の為に昼夜仕事をしていたので家にいる事も一般家庭のお母さんよりも少なく、休みの日は疲れているだろうと子供心に気を遣っていたのか出掛ける事も要求はしなかったです。
私が大人になってから2人で食事に行ったりするようになりましたが、今思い出すと少し寂しかった気がします。
40代前半・女性
経済事情が厳しい
母の手1つで育って、弟と揃って高校まで卒業できたのは本当に感謝しています。
しかし、お小遣いが貰えないからバイトをしたり、お菓子や洋服、おもちゃなどを我慢していたのを覚えています。
また、大人なってから感じましたがお下がりも多かったのかもしれません。
20代前半・女性
母の恋愛が目に付く
母は当たり前のことながら女性なので、交際までとはいかなくても気になる男性ができると普段に比べ身なりを気にしたりしているのがすぐに分かりました。
同じ女性同士だからこそこうしたちょっと変化に気が付きやすく、でも父が居ない家庭なので口出しすることもできずモヤモヤとした気持ちになりやすかったりもします。
20代前半・女性
依存されやすい
良くも悪くも、長年苦楽を母と一緒に味わってきました。
そのためか、母からは依存されるようになり、ひどい時はバイトがあるから電話は出られないときがあると前もって言ったにもかかわらず、連続で30件以上電話があったり、次の日に返した時に怒られるなどのことがありました。
あまり一般の家庭の方から同じような話は聞かないので、母子家庭だったからかなと思っています。
20代前半・女性
母が可愛そう
だいぶ大きくなってから母子家庭で育ったせいもあり、何一つ苦労は無かったのでデメリットは特に感じていません。
ただ、学校などで提出する書類で母の名前を書くようになってからは先生や事務の人に家庭状況を確認されて話さないといけなくなったときに母に申し訳なく思いました。
30代後半・女性
お金がなかった
一人の稼ぎで私たち兄弟3人を育てなければいけなかったので、とにかくギリギリの生活を送っていました。
食べるものに困ったことはありませんでしたが、進学の時には弟妹のこともあるので、4年大は無理。短大にしてと頼まれました。
いろいろなことがありましたが、今は幸せに暮らしているので、今までのどれかひとつが違ったらここにいないと思うと、悔しい思いや悲しい思いをしたこともいい経験だったと思えます。
30代後半・女性
父親像がわからなかった
大人になり結婚して子供ができた時、父親としての立ち振る舞いがいまいちわかりませんでした。
今でも子供を叱る時、父親というよりはむしろ母親のような感じで感情的に怒ることもしばしばです。
父親なりもう少しゆったり構えるべきだと思うのですが。父親に叱られた記憶がほとんどなく、娘には申し訳ない気持ちです。
30代後半・男性
たまに父親の話を周りから出される
私は父親のことをあまり好いていなかったので母親がいれば十分なのですが、結婚する際に父親に会わなくいいのか?挨拶はしなくいいのか?などと言われたときはちょっと嫌な気持ちになりました。
どうしても父親の話をされる機会があるので、そのたびに仕方ないと思いつつも嫌な気持ちになることは正直あります。
20代前半・女性
寂しい思いをした
お互いにすれ違って、母親は夜勤でも働いていましたので、比較的に家に1人でいることが多かったです。
友達と一緒にいて寂しさを紛らわすことも多かったですが、夜になると外が暗くなることもありその時は辛かったです。
20代後半・男性
育ちが悪いと思われる
やはり「温かい家庭を知らずに育った人」という見方をされることはあると思います。
何をもって円満な家庭と見なすのかは個人の感覚によって変わってくると思うので、反論もしにくいですが…。
イメージとして、いいか悪いかでいったらやはり悪く取られます。
30代後半・女性
怒ってくれる人がいなかった
父親というものは家庭の中で絶対的な存在だと思います。
おそらく父が生きていれば進路も違ったであろうし、いろんなことが違っていたと思います。
今の自分には満足していますが、父と衝突したり、話し合ったり、そういうことを経験して大人になってみたかったと思うことはあります。
30代後半・男性
母親が仕事で忙しい
母子家庭だったので、母親は忙しくほぼ毎日夜まで仕事でした。
母親が帰って来てから話をしたりするのは出来たのですが、夏休みなどの長期休みはなかなか出かける事も出来なかったので寂しく感じる事はありました。
友達が旅行に行ったなど話を聞いてると羨ましい気持ちもありました。
20代後半・女性
経済的余裕がない
母親の収入だけでは、やはり経済的に厳しい現実があります。
国から手当があるとしてもキツキツで生活をしている為、あまり貯金も出来ず今の生活をやりくりするのでいっぱいいっぱいです。
エアコンや冷蔵庫が古くなっていても、すぐに買い替えが出来ず15年以上使っていることを考えると、母子家庭だからかなぁと思ってしまいます。
20代後半・女性
嫌がらせや嫌味はあった
母親は勤めていましたので、あまり学校の行事には来れませんでした。
運動会等でも皆親子で食事をしていましたが、私は一人でお弁当を食べていたのを覚えています。
経済的には苦労しなかったので人から同情されると言うことはあまりありませんでしたが、遊ぶときには一人っ子だったので寂しい思いをすることはよくありました。
ただ、父親の姿がないため嫌がらせというか、母子家庭であることを嫌味で言われることはありました。
20代後半・男性
将来設計に壁がある場合がある
私は大学に行って資格を取るという目標がありました。ですがもちろん行けるわけもなく。母は行ってほしいと言ってくれたのですが、祖父母からの反対で「お前が働かないとダメだ。」と怒鳴られてしまい、結局夢は諦めて仕事をすることになりました。
自分としては今でも行きたかったなと思いましたし、まだ諦めることが出来ていません。
20代前半・女性
まとめ
今回は母子家庭で良かったことと大変だったことを実際に母子家庭で育った30人の声としてご紹介してきました。
実際に母子家庭で育った方の話を聞いてみると、もちろん大変なこともありますが、母子家庭ならではの良い経験をしている方も多いですね。