みなさんは「4親等の続柄」をご存知でしょうか?
「分かる!」という方もいれば、「聞いたことがあるけど、正確には分からない・・」という方も多いと思います。
今回は、そんな4親等の続柄と「親等」の意味についてを行政書士が解説していきたいと思います。
親等とは
まずは「親等」とは何かを説明していきたいと思います。
親等とは、親族間の遠近の度合いのことを指します。
少し難しいですが、要するに親族関係の遠近を把握するための単位ということですね。
親等の歴史
そもそも、この親等というのは明治初期に民法で「親等制」が採用されたことが始まりになります。
民法は明治初期に作成がされましたが、その時に「親族」に関する定めが必要になってきました。
そして親族を定義する場合に、「親等制」を導入することにより親族の遠近の数え方を行ったということです。
親等の数え方
親族の数え方は、家系図を使ってみると簡単に分かります。
親等は親子関係つまり上下の関係を1親等として数えます。
いくつか例を見てみましょう。
自分と父の場合
自分と父の場合は「自分→父」と上下関係が1回発生しています。
ですので、親等は1親等になります。
自分と兄弟の場合
では、自分と兄弟の場合はどうなるでしょうか。
この場合は「自分→父母→兄弟」と上下関係は2回発生していますね。
ですので、親等は2親等となります。
家系図で見る4親等の続柄
家系図で4親等の続柄を確認してみましょう。
以下の画像は名称が定められている4親等の続柄を全て記載したもので、続柄の下に記載している「(1)」や「(4)」などの数字が親等となります。
上図の「青色」の続柄が4親等となります。
4親等の続柄
以下の続柄が4親等となります。
- 玄孫
- 姪孫
- 従兄弟姉妹
- 伯叔祖父母
- 高祖父母
親等と親族
先ほど解説をしたように、親等とは民法上の親族の範囲を定めるための親族間の遠近の数え方となります。
民法では親族の定義を以下のように定めていますので、確認してみましょう。
【民法】
第4編「親族」
第1章「総則」
(親族の範囲)
第725条 次に掲げる者は、親族とする。
一 6親等内の血族
二 配偶者
三 3親等内の姻族
上記を確認すると「6親等内の血族」と「3親等内の姻族」という記述がありますね。
このように民法では親族の定義に「親等」を用いていることがわかります。
4親等の続柄は、「血族」の場合は親族に該当しますが「姻族」の場合は親族に該当しないという事ですね。
親等と結婚
また民法では婚姻における近親者間の婚姻の禁止でも親等による定めをしています。
【民法】
(近親者間の婚姻の禁止)
第734条 直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。
この条文によると「3親等内の傍系血族」の間では結婚をすることが出来ないことがわかりますね。
4親等の続柄の場合は、「直系血族」であれば結婚は出来ないが、「傍系血族」であれば結婚することが出来るという事です。
まとめ
今回は4親等の続柄と「親等」の意味について解説してきました。
親等によって「親族となる場合」や「結婚できる場合」があることなど、知らないことも多かったのではないでしょうか。
自分の知っている親戚や親族の方を家系図にまとめてみると、その方との間柄がより鮮明に分かって良いかもしれません。