家族には様々な形が存在しています。
いわゆる核家族であったり、大家族であったりと形は家族それぞれですね。
では、「家族」とは一体何なのでしょうか。
今回は「家族の意味と定義」について解説をしていきたいと思います。
家族とは
みなさんの思う家族とはどんな形でしょうか?
「子」「父母」「祖父母」までと答える方もいれば、「いとこ」「甥姪」までと答える方もいると思います。
もちろん、どの形が正解でどの形が不正解ということはありません。
家庭によって家族の形は変わって当然ですし、全く同じ家族というのは存在していません。
辞典の「家族」
辞典で「家族」を確認してみると、このように記述されています。
婚姻によって成立した夫婦を中核にしてその近親の血縁者が住居と家計をともにし,人格的結合と感情的融合のもとに生活している小集団。
出典 ブリタニカ国際大百科事典
辞典では、「住居と家計をともにする血縁者の集団」とありますね。
血縁者の親等などから家族を定義しているのではなく、生活を共にする血縁者という集団を家族としていることが分かります。
民法上の「家族」
では、法律では家族の定義をしていないのでしょうか。
実は日本の民法において「家族の定義」を定めている条文はありません。
少し不思議ですが、民法では家族の範囲を正確に定めていないという事ですね。
ただし、民法では「親族」については定義をしています。
親族とは
民法の定める親族とは「6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族」としています。
図を見ていただくと分かるように、かなり広い範囲を親族としていることが分かります。
中には顔も名前も分からない親族はたくさんいるのではないでしょうか。
この親族全員を「家族」と呼ぶには少し疑問が残りますね。
民法以外の家族
民法以外では「家族」という定義が全くないのか、というと実はそうでもありません。
雇用保険法では、「配偶者、父母及び子並びに配偶者の父母」として家族を定めています。
また関税定率法では、「配偶者、直系尊属、直系卑属及びこれらに準ずる地位にあると認められる親族」として家族が定められています。
なぜ各法律により家族の定義が異なるかというと、その法律の内容と目的によって対象となる範囲は異なるためです。
例えば雇用保険法というのは雇用の保険に関する法律であり、極めて個人を対象としている法律といえます。
そのため、雇用保険法による家族の範囲は自ずと狭くなって然るべきではないでしょうか。
それに対して関税定率法は、関税の制度について定めている法律です。
雇用保険法とは異なりもっぱら税を対象としていることから、家族の範囲は広いものとなっても不思議ではありません。
つまり、法律では家族の定義を各趣旨にあわせて柔軟に考えています。
まとめ
今回は家族の意味と定義について解説をしてきました。
家族は血縁者を前提とする集団ですが、その範囲は人によって異なります。
必ずしも生活を共にしていることや扶養関係にあることが家族の条件となることはありませんので、それぞれが思う家族の範囲が「家族の定義」となるのではないでしょうか。