皆さんは「菩提寺」のことをご存知でしょうか?
聞きなれない言葉ですので、初めて聞かれた方も多いかもしれません。
今回はそんな「菩提寺」について解説をしていきたいと思います。
菩提寺とは
菩提寺とは、ご先祖様が代々眠っているお墓のあるお寺のことです。
古くから日本では家族のお墓を1か所にする風習があり、そのお墓を管理するお寺も1か所に決めてきました。
よく言われる「お墓を守る」という言葉の意味は、この菩提寺にあるお墓のことを守るという意味にもなっています。
ご先祖様が代々残してくれた大切なお墓なので、これからもずっと守っていこうということですね。
「菩提」の意味
菩提寺の「菩提」という言葉にはちゃんと意味があり、「死後の冥福」のことを指しています。
菩提寺とは、死後の冥福を弔う寺院というわけですね。
菩提寺の調べ方
さて、この菩提寺ですが基本的には1つの家族(苗字)に対して、1つは存在することになります。
子供のころからお盆やお正月に家族でお墓参りに行くお寺があれば、そちらが菩提寺となるでしょう。
万が一にも分からないときは、最初に家族に尋ねてみてそれでもわからない場合は親戚にもあたってみると確実に判明するでしょう。
過去帳
菩提寺では仏具のひとつである「過去帳」と呼ばれる書物を管理されている場合が多いです。
この「過去帳」は何かというと、ご先祖様代々の法名や俗名、享年などを記載した、いわば家系の歴史です。
自分のご先祖様が歩んだ歴史がわかるとても貴重な品ですね。
菩提寺では、ご先祖様が亡くなったときにお名前などを過去帳に記載することで記録を残してきました。
ずっと菩提寺が変わっていなければ、ご先祖様のお名前を残し始めたときから現在までの全てのご先祖様が判明することになります。
過去帳について詳しく知りたい方はこちら
過去帳から家系図を作ることが出来る
この過去帳の歴史というのは、役所で管理している「戸籍」の情報よりもはるかに古いです。
当然、戸籍からはたどり着くことのできないご先祖様に出会える機会が多いです。
下記の記事でもご紹介していますが、戸籍から作成する以上の家系図を作りたい方、手元にある家系図をさらに詳しく調べてみたい方はこの過去帳を調べてみると良いでしょう。
文献調査について詳しく知りたい方はこちら
まとめ
今回は菩提寺について解説を行ってきました。
普段はあまり交流のないお寺ですが、ご先祖様からの付き合いを考えるとその歴史は何百年にも及びます。
ご先祖様が残してくれたお墓と、そのお墓を守ってくれている菩提寺。
どちらも自分にとって深い関わりのあるものですね。