みなさんは「内孫」という言葉の意味をご存知でしょうか?
現代の日本ではあまり耳することはなくなりましたが、戦前の日本では広く一般的に使われる言葉でした。
この記事では、そんな「内孫」の意味について行政書士が解説をしていきたいと思います。
内孫の読み方
内孫は「ないそん」と読みます。
「うちまご」と読むこともありますね。
内孫の意味
内孫とは「家を継いだ子供の子」のことを指します。
例えば、長男の子供や、長女と婿養子の子などが該当します。
苗字が変わらない子供の子だと考えていただければ分かりやすいかと思います。
外孫
内孫と反対の意味を持つ言葉に「外孫(がいそん・そとまご)」があります。
こちらはお嫁に行った娘の子や養子へ行った息子の子のこと。簡単に言うと、名字が変わった子供の子という事ですね。
内孫と外孫いう考え方
なぜ同じ孫にも関わらず、内孫や外孫といった考え方が生まれたのでしょうか。
これは戦前の日本、旧民法の時代の制度によるものです。
旧民法では家族の1つの考え方として「家制度」というものがありました。「家制度」では家を家族の単位として考え、その家の代表が「戸主」となります。
この戸主は家督相続と言って、跡継ぎを決め「家督」(家の財産)と共に戸主の権利を承継しなければなりません。
そうなると、一家の中から長男の子のように将来に戸主を継ぐであろう孫と、二男や二女の子のように戸主を継がないであろう孫が存在することになります。
この将来に戸主を継ぐであろう孫は家を離れていませんので「内孫」と考え、継がないであろう孫は家から離れていますので「外孫」と考えます。
このように「家制度」の元では家督を相続できるか否かという点で、同じ孫にも関わらず大きな違いが生じますので「内孫」と「外孫」を分けて考える必要がありました。
もちろん現代では孫という立場においてそのような差はありませんので、内孫と外孫に違いはありません。
家系図で続柄を確認
続柄を家系図で確認してみることにしましょう。
上記の青色の続柄が「内孫」となります。
2親等の直系血族
家系図上で自分から「内孫」を辿ってみると、「自分→子→内孫」と2親等離れていることがわかりますね。
そのため、内孫は法律用語では2親等の直系血族とも呼ばれています。
直系について詳しく知りたい方はこちら
内孫から見た自分
自分から見て「内孫」になるということは、「内孫」からみると自分の続柄はどのようになるでしょうか。
この場合は、自分の性別によって次のように分かれます。
- 自分が男性であれば「祖父」
- 自分が女性であれば「祖母」
内孫は親族?
法律上、内孫は親族にあたるのでしょうか。
民法では親族の定義を以下のように定めています。
【民法】
第4編「親族」
第1章「総則」
(親族の範囲)
第725条 次に掲げる者は、親族とする。
一 6親等内の血族
二 配偶者
三 3親等内の姻族
上記を確認すると、親族の定義に「6親等内の血族」という文言があります。
先ほど解説をしたように、内孫は2親等の直系血族となりますので親族に該当していることが分かりますね。
内孫と結婚することは出来る?
「内孫と結婚することは出来るか」という問題ですが、内孫と結婚することは出来ません。
民法では、近親者の婚姻の禁止として以下を定めています。
【民法】
(近親者間の婚姻の禁止)
第734条 直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。
この条文によると、「直系血族」と「3親等内の傍系血族」の間では結婚をすることが出来ないことがわかります。
内孫は2親等の直系血族となりますので、結婚することが出来ないという事ですね。
その他の続柄
家系の中には、内孫以外にも様々な続柄が存在しています。
続柄を知るとご先祖様との繋がりや遠い親戚との繋がりが鮮明に分かって楽しいですよ。
以下のリンクから存在している続柄を全て確認することが出来ます。是非、ほかの続柄も確認してみてくださいね。
家系図の続柄(呼び名)を一覧で徹底解説!
まとめ
今回は内孫の意味について解説をしてきました。
内孫という考え方、続柄や読み方などまだ知らないことも多かったのではないでしょうか?
内孫以外にも続柄の数は無数にありますので、是非この機会にたくさんの続柄を覚えてみてくださいね。